幼稚園工作室:『通気工法』 [住まいと感性]
幼稚園工作室:経過報告 from 広島
『通気工法』
前回記事『木造の骨格』の続きです。
一つの建物で、これだけ長く続けるのは初めてですが、
建物のことを知るには、分かり易い題材なので、暫し
このシリーズにお付き合いください。
●この工作室は、本当のベタ基礎なので、床下が有りません。
①強引に作った「床下もどき」を通気しています。
②壁体内の通気:スキマが12mm以下は効果激減!。
③軒先の通気:プロでも意外と忘れがちな箇所。
(空気がデッドになる箇所、万が一の雨水はここから逃がせる)
この工作室では、3箇所の『通気』をしています。
≪通気の必要性とメカニズム≫
『密閉した構造』
日本の住まいが、和室で構成されていた時代には、
わざわざ「通気工法」など必要有りませんでした。
それは柱や梁などが、むき出しになっていたからです。
構造材の木は自由に呼吸できていたのです。(真壁構造)
構造上の診断は素人でも出来るくらい、分かり易い状態でした。
和室は少なくなり、柱や梁の見えない洋間(大壁構造)が
多くなったこと。。
「高気密・高断熱・省エネ」をひた走ると、結果的に「密閉!」の
方向に進まざるを得なかった?。。
他にも、コストダウン、時間短縮。。等々
強度を増すためのコストが「真壁構造よりも割安」というのも
有ったでしょう。
・・・木は呼吸できなくて苦しがっている!?。
①②の拡大図:①はフローリングの下を通気。
②は屋根と壁が熱せられると、上昇気流となり、
屋根に向かって昇って行く。
● ①フローリングの下を通気しています。
『密閉したデメリット』
ある意味で、構造的には有利になってきました。
それと共にデメリットも発生しました。
1.構造が見えないので、診断が難しくなった。
2.湿気がこもり易くなった!。
3.雨水が浸入しても排出し難い。
腐食、シロアリ被害など木にとっては、不健康状態です。
●②壁の通気をプロジェクトメンバーに説明中。 「はぁ~、これが壁の通気か・・・」
皆は聞いてるフリをしてくれている??。
『通気工法のメリット』
そこで、柱の内外に張りつける面材を通気性のある素材にし、
「出来るだけ、構造材に呼吸させてあげよう」との方策が、
考え出されました。
1.構造強度と耐久性を同時に確保できると期待。
2.壁は2重構造になるので、万が一、外壁に雨水浸入が発生しても、
内壁で、構造体への進入を抑制できる。
3.夏場:理論的には「暑ければ暑いほど涼しく」なる。
4.冬場:直接、外気にさらされるのは外側の壁なので、断熱効率が良い。
以上「設計・施工状態が細部に至るまで確実に出来ている」
のが大前提なのは、言うまでもありません。
※形だけの通気工法は、逆効果だったりします。要注意!。
③「この軒先通気が大事なのよー」 ③軒先通気:この小さなスキマが、意外と
「ふむフム」 大事なのです。
●次回予定:工作室『透湿防水シート』
日本初の採用かと思ったら「広島初」でした。
☆☆ ひとくちメモ(追記)☆☆
『省エネ通気』・・・格安ソーラー
屋根の上から逃げる空気の温度は、冬場でも40℃程度に上がります。
床下の温度は西日本の場合、年間を通じ13℃前後と安定しています。
これらの空気を上手に取り込むと、冷暖房費の節約になります!。
有名なOMソーラーは、暖房用として進化してきました。
・・が、夏場の冷房と価格(200万円程度)の為か、
普及のスピードが、今ひとつのような気がします。
⇒⇒夏・冬とも活躍している、超簡単・格安ソーラー
の紹介は先でしましょう。
『室内空気循環』
この工作室の、室内空気の流れを説明しておきます。
●直接、外気に触れることなく、自動的に空気が入れ替わる。
空気の入口・出口は、直接、外気に触れることなく、
自動的に、入れ替わるように設計してあります。
建物の構造体も、室内も、エネルギーの損失を抑制しながら、
「呼吸している事」は、とても大事な事です。
『 結 論 』
水・空気・人の血液 どれも動いている事が、
活きている証しなのです。
******************************************************************************
******************************************************************************
ウチも完全なベタ基礎で~す(。>ω<。)ノ
そいでもって、床暖房いれてるので、その強制的につけた空間ほどが
実は、あるんですよ~
いいなぁ~屋根のその空気の流れがあったら、絶対夏の暑さが違いますね~
by nicolas (2006-09-26 00:48)
家の一階の座敷の押入れ、床板がかびて来るので、
3年に一度ぐらい床板のコンパネをかえています。
床下もどきが無いせいと言うことが解かりました。
by (2006-09-26 09:50)
●にこちゃん さん
へェえー住宅で、本当のベタ基礎なんて珍しい。にこちゃんトコ、日本?(笑)
暑さ・寒さをしのぎながら「空気を動かす」のは、とても大事なんですよ。
●コキア さん
あららー。カビですかー。。。カビそのものよりも、その環境が問題ですね。
川の流れも、人の血も、空気も留まっていると・・・・良くないよね。。
by norman (2006-09-26 10:15)
うちは地下室あるからな~
基礎は変わった構造してますよ
屋根は部屋自体が全室ロフトの様にイッパイイッパイまで使ってるし
屋根の中は雨などの時の為に防音材を敷き詰めました
ただカビが発生するのが嫌だったので換気扇を計8箇所付けてます
地下は6箇所で今の所カビ臭いとかは無いですね。
by (。・_・。)2k (2006-09-26 13:51)
毎回ノーマンさんのブログで勉強している三人前です・・・
ノーマンさんの横に移っていなくてよかった。。。修正してもう少し細く。。。なんて無理ムリでしょうか(^^;)
by のりちゃん (2006-09-26 14:59)
お久しぶりです。
うちは既製杭がぶちこんであります。
木造建築に通気性は大事な要素ですね。
でも、室内の空調はどうなっているんでしょうか?
by masa63 (2006-09-26 16:25)
すごく勉強になりました。
うちもチェックしとこ。
by なおちん (2006-09-27 13:02)
●19672k さん
「地下室が有る」って、豪華な家だなー。。地下室の壁は、多分
二重構造になってて、湿気・水気が入らないようにしてある筈ですよ。
その地下室の換気扇が6箇所!?。。スッゴイ大きな部屋なんだ。。
●のりちゃん さん
お勉強して頂いて、ありがとうございます。 にしても「三人前」とは凄い!。
のりちゃんの住んでるお家とかは、こんな通気とかしなくっても、大丈夫
だよね。 だって山の中の伝統工法のお家だもんね。良い環境ですね。
●tanamasa63さん
あらら、元気されていましたか?。『通気』は、木造にとって大事です。
・・けど、他の構造の建物でも「空気を止めない」方が良いです。
空調(空気調和)について、「室内の空気の入替え」という事でしたら、
上記図は、一つの例です。。強制的に行うのが『機械換気』です。
一番良いのは『人間センサー!』 ←←窓を開け放す事!ですよ♪。
●なおちん さん
あらら、なおちん さんも、元気されていましたか?。
新築中のお家は、どうなってるんだろう?。大工さんが内装をしている頃かな?
再た、お邪魔しますね。
by norman (2006-09-27 15:25)
NORMANおじさん、こんばんわ。
うちのマンション、24時間室内換気があるんだけど、
いろんなところの通気口から排気ガス?が!
通気口のまわりが黒くなるの(・_・)
空気がきれいなところで無いと、ダメなのかなあ?
by たろちぅ (2006-09-28 18:34)
●taro_chuさん
機械換気(換気扇)だから、そこに集中して空気が出入するので
どうしても、ススけてしまうんだよねー。 高級品の機械だと、
立派なフィルターが付いてて、多少は少ないけど時間の問題です。
やはり、できるだけ窓を開け放す方が良いです。
外の汚い空気を窓から、ドバーッと入れる感じなのだけど、
それでも室内より、よっぽどキレイな空気なんです。
※この事は、マイナスイオン測定器で何度も実験しているので
自信を持ってお奨めできます。 ・・・って今日はマジメにコメントしたなぁ。
by norman (2006-09-28 20:00)
そうなんだ!窓からの方が綺麗なんだねー。
わかった。窓あけるね。
マジメコメント感謝です。いつもありがとーね(^-^
by たろちぅ (2006-09-29 19:09)
●さtaro_chuん
おー再た来て下さったか。。古い店(記事)のままでスミマセンねー。
そう、外の空気の方がよっぽど新鮮。。ヨコハマの空気、吸ってみたいよー。
by norman (2006-09-30 14:45)
外壁はウッドなんですねw
可愛らしいログハウス風だぁ^^
by れい (2006-10-08 10:28)
●れい さん
ウッド???。・・あっ、これ下地の状態で説明してんだよー。 (。>ω<。)
本当の仕上げは、勿論シックイ!ですよー。 もうじきUPしますからね。
by norman (2006-10-10 13:18)