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幼稚園工作室:『木造の骨格』 [広島の住まい]

          幼稚園工作室:経過報告        from広島

                 『木造の骨格』


     前回記事『中間検査と見学』の続きです。
     小さな建物だから説明し易いです。
     暫し、 一緒に建物のお勉強しましょう。

 

『在来工法の進化型』
この工作室の構造は、後半で説明する「在来(軸組み)工法」の進化型です。
柱・梁は、在来工法。 その内外に面材といわれるボード・パネルを
張っています。 スジカイと云われる斜めに突っ張る部材が有りません。
  ※2×4工法と在来工法をコラボレーションしています。

    
     ●工作室「骨組み」の全景:斜め材は仮のスジカイです ⇒後で外します。

 

   
          ●外部面材:柱の外には耐力合板(不燃タイプ)を張付け。


   
       ●内部面材:普通は石膏ボードが多いが、今回は木製パネルを張付け。

 

     ☆☆ よもやま話し ☆☆
     『木造の骨格』について
      普通「木造」といえば、木で作った建物のことを指します。
      けど、厳密に言えば「混構造」なのです。
      その理由は、

基礎はコンクリート!だからです。
      しかも、基礎と木造部分は、ボールト等でしっかりと締結し、
      一体化されています。

  
               ●基礎と土台、土台と柱は金物でガッチリと締結。

 

 

    
      ●ホールダウンアンカー:基礎から土台を貫通し柱を直接ボールトで締結。

 


☆☆ ひとくちメモ ☆☆
『木造の種類』
・・・
貴方の家はどのタイプ?
1.掘建て式:原始時代~近代以前は木を直接、土に埋めて住居を作った。
         これぞ純粋木造の元祖!。
2.伝統工法:寺社・仏閣など、職人技を駆使して建てられた。
         宮大工、寺社大工は今でもこの工法を伝承している。
         昔は石の上に木造を載せていた。
3.在来(軸組み)工法:戦後 「伝統工法を省略化」しながら進化。
         現代日本の住宅の、ほとんどが、このタイプ。
4.システム工法:専用金物などを駆使し、単なる無垢材ではなく、
         張り合せた集成材、H鋼に似た形状のTJI などをシステム化。
         主に在来工法を中心に進化したものが多い。
5.2×4工法:
細めの木材に面材を張付け、面の剛性で強度を確保。
       和製英語の「ツーバイフォー」がまかり通っているが・・・
        正式名称は「枠組み壁工法」又は「プラットフォーム工法」
        壁に2インチ(1インチ=25.4mm)×4インチの木材を多用することから
        和製英語が出来た。

 

   
      ●ツーバイフォーは和製英語:現地の北米では「プラットフォーム」と呼ぶ
                       写真はコンドミニアム。 fromバンクーバー
                       北米では4階建てまで建てることが出来る。

 

6.パネル工法:主にプレハブ(ファブ)メーカーが採用。建物をパネルに分割し、
            事前に工場などで部材を製作し、現地組み立て。
            ※プレ=Pre=事前に、ハブ(ファブ)=Fabrication=製造
7.その他 :丸太組み工法(ログハウス)、大断面集成材による工法の他に、
          上記2~6を組合せた種々の工法が導入・開発されている。

 

(追記)「木造の耐力壁」に関して、広島住宅研究会
     レポートを提出しました

 

        
         ●ログハウス(丸太組み工法): from ウィスラーの山奥。
                      左は案内人サムさん、右は筆者


            
           ●大断面集成材によるドーム: fromウィスラーリゾート。
                 広島近辺では、出雲ドーム等もこの工法。

 

☆☆ norman の つぶやき ☆☆
 『構造は太いほど良い?』

昔は「ウチの木道具は太い」事を自慢していました。
時代は変わり、かなりの部分が計算によって解析出来る様になりました。
「丈夫かどうか?」は「必ずしも太さによるのではない!」事が
分かってきました。 太いだけで、効率の悪い工法も有ります。

車の進化が良い例です。昔の車は装備の割には重かった。
今は軽さの割には、人に対しても格段に安全方向に成長しています。

大切なのは、伝統的な智恵だけに頼るのではなく、効率的に
各工法を組み合わせ、確実な手法を見つける事だと思います。


『勉強しきれないよ』
それぞの工法は、より複雑に進化し、それらを組み合わせた工法が
新たに開発され、こんなにも多くの工法があると「勉強しきれない!」
・・・のが本音です。 「これが一番!」と決まれば楽なのにねぇ。。。

 

   ●次回予定: 幼稚園工作室『通気工法』について。


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コメント 21

TOMO

2X4は正式名称じゃないんですね。
テレビとかで覚え易いから
こうなったのかな?
by TOMO (2006-09-12 12:55) 

れい

ガラスブロックに目がいっちゃいます^^
完成が、本当に楽しみだぁぁぁヽ(´ー`)ノ(ノ´ー`)ノ(ノ´ー)ノ

色々な工法をMIXするとかありなんです??
by れい (2006-09-12 14:11) 

norman

●TOMOさん
んんーん。和製英語を知らないうちに、本物と間違えて使ってることって、
あるよねー。。。ま、日本に住んでる限りはそれでも良いんじゃないかなー。
●れい さん
むははッ。Gブッロック使いの名手に言われると、くすぐったいですよー。
工法のMIXは、それなりにツボを押えておけば、良い結果が出てくるのよ。
by norman (2006-09-12 15:15) 

あきら

ふむふむ、建物を立てると言ってもいろんな工法があるんですねぇ。

家ってどんどん丈夫になって行ってますね。
うちの実家は築50年が来ようとしています。
なので作り方が全然違いますよ。基礎から・・・・
大きな地震が来たら倒れそうにしか見えないんですが・・・。
by あきら (2006-09-12 17:46) 

(。・_・。)2k

本当にいろいろあるんですね
勉強になるな~(^^)
by (。・_・。)2k (2006-09-12 21:45) 

家は大工さんが建てたものだから、在来工法?
簡単な○Xの耐震テストをしたら、かなり危ない家でした。^^;
by (2006-09-12 22:10) 

たろちぅ

NORMANおじさん、こんばんわ。
和製英語なんだ。
スノーボードのビンディングにも4×8、6×8とかって設置方法が。
そう言えば、スキースノボのビンディングもアメリカだとバインディングになるなあ。
ビタミンもバイタミン。あ、コレらは読み方の違いかあ。。。
by たろちぅ (2006-09-12 22:58) 

蟹道楽

我が家の実家は古い建物です。
基礎はどう突きという方法で地面を固めた上に家を建てたと聞いております。
一種のべた基礎の方法に近いのでははないか?と思っておりますが・・・・・
阪神大震災の時はべた基礎の家のほうが被害が少なかったように聞いておりますが・・・・
ツーバイフォーはべた基礎ですよね?やっぱり地震とかはこの施工方法のほうが有利なのですか?
by 蟹道楽 (2006-09-13 00:56) 

nicolas

ホントにスジカイがないですね!?
二階は無いから、ころび止めも無い?
ウチは2×4工法ですが、中には一部2×10の部材も使っています。
太いほどいいってワケじゃない・・・そういえば、ダンボールも・・
作り方次第で強度の強い箱もつくれますもんね~
by nicolas (2006-09-13 00:59) 

かおり

うち、パネル工法の家なんですがやっぱり石膏ボード・・・
そんなもんだと思っていましたが、やっぱり釘を打ったり棚を吊ったり
ベタベタとポスター貼ったりしたいよね~
いつかリフォームしに来てね!NORMANさん♪
理想は小学校の窓際(分かるかなぁ)
by かおり (2006-09-13 12:53) 

のりちゃん

わはは(^^;)お恥ずかしいのですが私自身がしっかり勉強させていただきました♪また、皆さんのコメントも勉強になった私でした・・・。
by のりちゃん (2006-09-13 13:17) 

norman

☆☆皆様、本日も一日中、ソネットさんは壊れていますねー。
   皆さんのコメントが見えないので、御返事も書きようがありません。
   明日にでも、再挑戦してみます。悪しからず☆☆
by norman (2006-09-13 20:12) 

norman

☆☆皆様、やっとコメントが見れます。ソネットさんの持病、
   誰か治療してあげてよー。でないと、集団疎開したくなっちゃうよー☆☆
●あきら さん
実家のお家が、もし田舎だったら・・。骨は太いんだろうなー。
あちこちが緩んでいるだろうから、締め直しすれば、それなりに
耐えると思いますよ。人間とおなじだね。 えッ私?・・締めなおしても
手遅れ!?? だったりして(笑)

●19672kさん
写真の世界も同じだろうけど・・、本当は、ここに書ききれないくらい、
もっと、もっと沢山、有るんですよー。。勉強嫌いの私は辛いよー(笑)

●コキア さん
えー?、家って普通「大工さんが建てる」と思うんだけど・・、
ま、在来工法なのでしょうね。 大丈夫!倒れるまでは。。って不親切かな?

●taro_chu さん
日本は国際規格のメーター法にのっとり、ミリ・cm・mを使っています。
アメリカ発のものは、インチ・フィートだよね。 ちなみに、日本でも
慣習で、丸いものはアメリカ式なんだ。 例えばタイヤ・ボールのサイズ
とかは「○○インチ」を普通に使ってるんだ。

●蟹道楽 さん
昔は「どう突き」という道具で地面を固めて建てていました。
今は機械で行っています。 ・・だから、基礎の形状とは関係ないんですよ♪。
ちゃんとした設計・施工をすれば、当然「ベタ基礎」の方が有利です。
日本では、2×4に限らず、他の工法も含め、これが主流になってきました。

●にこちゃん さん
「ころび止め」なんてよく知ってるなー。 壁部分には2×4を主に使い、
床・梁部分には、2×4よりも大きな2×8~12が使われます。
単純に構造強度だけなら、2×4工法が一番、効率的だと思っています。
ひとつだけ難点が有ります。 日本における建物の耐久性に関わる・・
「壁体内通気が難しい」。。研究会でも、よく話題になるテーマです。
回避方法が見つかりそうです。。何れ話題として取り上げる予定です。

●青い花 さん
えっえッ、、、青い花 さんのお家は、屋上庭園とか有るから、てっきり
RC(コンクリート)造だと思ってたけど、木造だったんだ。。
「小学校の窓際」かー ・・・ 懐かしいなー。小学校って、
Woodyだったよねー。。。。(* ̄ω ̄) ̄ ̄ 子供の頃のメモリー・・。

●のりちゃん さん
あれまー、プロジェクトメンバーの、のりちゃんってブログ始めてたんだねー。
再たおいで下さいねー。私も遊びに行ってみようっと。
早速、リンクしとこっと。・・・ リンク・・ りんく  って、どうやるんだっけ・・・
・・・・・・四苦八苦のおじさんなのだ・・。
by norman (2006-09-14 12:32) 

かおり

自宅は木造です~♪
畳の部屋がありませ~ん!増築したいで~す!
by かおり (2006-09-14 17:47) 

norman

●青い花 さん
木造・・・だったんだねー。  タタミですかー。。。
最近の若い人は、「和室要る!」って云わないんですよねー。
クッションは良いし、断熱効果も有るし、立派なジャパニーズカーペット
なのにねー。  フローリングと違い、貼り替えも簡単だし、
その内、若い人達も見直すのでしょうね。
by norman (2006-09-14 19:28) 

かおり

そうです!とっても畳が恋しいの・・・
by かおり (2006-09-14 22:59) 

plusgate

こんにちは 
僕もちなみに和室派です。
寝るととっても気持ちイイので
by plusgate (2006-09-15 10:41) 

norman

●青い花 さん&●plugate316 さん
やはり、タタミと来ましたか。。 最近の文化?なのか、洋間に床だけ、
タタミってのも有ります。 逆に和室にカーペット敷きってのもあるから、
伝統うんぬんを気にしないのなら、「過ごし易ければ」何でもOK
かもしれないですね。。 好み次第かな?。
by norman (2006-09-15 10:54) 

のりちゃん

私はいまだに「お気に入り」登録に四苦八苦(T0T)どうしたらいいのだ!!と、パートナーに質問しようとしたらあら・・・いない・・・他力本願寺派じゃいかん?!
by のりちゃん (2006-09-15 20:36) 

のりちゃん

ななんと!自力でできました♪やれば出来るを実感・・・熱のせいかも?!
by のりちゃん (2006-09-15 20:49) 

norman

どもども、「お気に入り」登録出来ていましたね。ありがとうございます。
私の方は今、写メの取り込みに挑戦してるんだけど、どうしても出来ない!。
webのことは分かんない事が大過ぎるよーー(。>ω<。)ノ。
by norman (2006-09-16 20:31) 

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